「酵素パワーのトォップ!! ライオンから」というCMが耳に残っています。
ある日、ホームセンターを物色していると、 とんでもなくデカイ「トップ」が売られているのを見つけました。
あの洗濯用洗剤のトップです。
なんと容量は4.1kgです。特大トップ。大きいもの好きの私は、大きなトップにときめきます。
ただその日は徒歩だったため、さすがに持ち帰るのはやめ、インターネット通販で買うことにしました。
大きすぎるトップ
来ました!ビックトップ!可愛い。大きいだけではなく、箱のデザインが昔のトップに近くて可愛いですね。
正確には「無リントップ」という商品名で、価格は税込み1090円でした。メーカーはライオン株式会社さんです。
箱のサイズは大体ですが、横28.5cm・高さ37.3cm・厚さ12.8cmです。写真単体だとあまり大きさが伝わらないですよね。
なんでしょうね、面積はB5サイズのノートを見開きで広げて、スペースが余るくらいのデカさです。
トップの「ト」の字の高さが18.8cmです。なんとなくデカさは伝わったでしょうか?
レトロなデザイン
現行のトップのデザインはもっと洗練されてしまっていますが、こちらの無リントップは、1980年(昭和55年)に発売されてからほとんど変わっていないようですね。
いつ頃の記憶なのか曖昧ではありますが、私の中でのトップは、赤い背景にオレンジと黄色の帯がぐるっと囲んでいて、真ん中に大きく「トップ」と配置されている、というイメージでした。
背面のイラストもレトロで可愛らしいです。いかにもデッドストック品という雰囲気があります。けれども現行品です。
一般家庭で4.1kgの洗剤は多い気もします。ただ洗剤は消耗品なので、必ず使うものです。
レトロパッケージが好きな方は、こうも考えてみましょう。インテリアにもなるこんなに可愛いデカイ箱が、1000円くらいで買えるんです。安くないですか?
しかも中身は実用的なものです。どうです?買いたくなって来ましたか?
この商品の買えるところ
実店舗
ホームセンターで見かける率が高いです。
インターネット
Amazon・楽天・Yahoo!ショッピング・Wowma等で購入可能です。
無リントップと洗剤の歴史
無リントップは、ライオン株式会社さんの製品です。
ライオン株式会社さんの歴史は古く、1891年(明治24年)に小林富次郎さんが、東京の神田に小林富次郎商店を開設したことから始まります。
石鹸とマッチの原料の取次としてスタートしたとのことです。
この記事では、そこから1950年代までスキップします。スキップしたくない方はこちらをご覧ください。
*ライオンの歴史|「今日を愛する。」レポート | ライオン株式会社
粉石鹸から合成洗剤へ
現在では液体洗剤がスタンダードになっていますが、1950年頃までは、粉石鹸で洗濯をしていました。
トップ50年の歴史によりますと、この時代はスカートなど洋服がブームになり、様々な繊維を洗うことの出来る「トップ」が1956年(昭和31年)に誕生します。
1960年代に電気洗濯機が一般家庭に普及していったことも、合成洗剤が家庭へ普及していった一因です。
ライオンさんは、高い洗浄力・素早い泡切れなどの点で改良を行い、新しい洗剤を発売して行きます。
1970年頃には、洗濯機の普及率は90%になりました。1973年(昭和48)にはオイルショックが起こり、その影響を受けつつも、1979年(昭和54年)に「酵素パワーのトップ」を発売します
なぜわざわざ「無リン」とついているのか?
その翌年の1980年に今回記事にした「無リントップ」が発売となります。
なぜわざわざ商品名に「無リン」という言葉が入っていて、パッケージにも「無リン」と書かれているのだろう?と疑問に思いました。
その理由は、合成洗剤の普及とともに、生活排水の環境への影響が社会問題となったことでした。
1970年代になると、1979年制定の琵琶湖条例(滋賀県琵琶湖の富栄養化の防止に関する条例)がよく知られているかと思いますが、富栄養化により赤潮が発生するという問題が起こりました。
当時、洗剤に含まれていたリンが、赤潮の原因のひとつと考えられていましたが、実際には農薬や生活雑排水に含まれる物質によるところが大きいといえます。ただし、洗剤成分中のリンによる影響は少ないものの、原因のひとつというのも事実ではありました。
*河川の発泡問題と植物原料の界面活性剤「MES」 【 エコライフ】
そこで登場したのが、リンを使っていない「無リントップ」だったというわけです。
洗剤の進化というのは、環境問題への配慮と密接に関わっているんですね。ライオンさんのような企業さんの研究により、現在の洗剤の多くは、排出されると微生物に分解されるように作られているそうです。
ものすごく掻い摘んで書いていますので、詳しく知りたい方は引用先の記事を読んでみてください。
昔は洗剤がデカかった。
無リントップについて調べていて、もう一つ気になったワードを見つけました。
「昔の洗剤はデカイ」です。
私自身はあまり記憶にないのですが、一昔前の洗剤の箱はとにかく大きかったそうですね。
昭和日常博物館のブログ、2012年1月19日に寄贈品のちり紙や洗剤の写真が掲載されています。
横に立っている人と比べると、確かにデカイです。そしてデザインが可愛い。容量がどれくらい入っているのかが見えなくてちょっと残念です。
なんで昔の洗剤がデカかったかというと、当時はまだ現在の洗剤ほど、成分を高濃度にすることが出来なかったからとのことです。
無リントップも水45Lにカップ1杯入れるのが適正量と記載されています。多い!
濃縮する技術が進んでいく過程で、スプーン一杯で洗える洗剤が登場しました。液体洗剤なんかちっさいのありますもんね。
おわりのつぶやき
大きなトップ、使い切るまでどのくらいの時間がかかるでしょうかね?
箱は保存しておきたかったので、中の洗剤はビニール袋に小分けをして使うことにしました。
無リントップのレトロで可愛いパッケージに惹かれたわけですが、今売っている洗剤が全てレトロデザインになって欲しいとは思いません。
もののデザインというのは、その時代時代に合ったものが作られていると思いますので、それはそれなんですよね。
でも商品棚の片隅に、昔ながらの可愛いパッケージの商品がちょこんと存在してくれたら、それで嬉しい。
無リントップはちょこんではなくデーーーンですけれど。
商品情報
商品名:無リントップ 特大
品名:洗濯用合成洗剤
内容量:4.1kg
メーカー:ライオン株式会社
価格(税込):1090円
JANコード:4903301094630
原産国:韓国