名は体を表すとか、部屋の状態は精神状態を表すとか、字は人柄を表すとか、
40過ぎたら自分の顔に責任持てとか、男の顔は履歴書・女の顔は請求書とか、
○○が○○を表すという格言のようなものは、世の中に溢れています。
--- 正直うっさいなと言いたくなることもあります。
私は持ち物もその1つだと考えています。持ち物を見ることで、その人の好みやこだわりだったり、人となりのようなものが垣間見えるような気がします。
私自身は容姿や体形が残念なので、服装や顔、髪型は地味です。タンスを開ければ黒ばかりでどれがどの服か見分けがつかないくらい。
--- 努力不足と言われたら返す言葉もございません。おっしゃると通りです。
ただ、その代わりに持ち物だけは好きな色であるピンクや、カラフルで可愛いものを持とうと決めています。
洋服は面積が広いし、人目に付きやすいからどうしても気になってしまいます。でも持ち物なら、面積が狭いので洋服よりは人目が気になりません。
持ちものを可愛くすると決めるまで
ある本との出会い
私が可愛いものとの付き合いを意識し始めたのは16が17歳の頃です。
小さい頃~小学生まで、なんとなく可愛いものは好きだったという記憶はあります。キティちゃんなどのキャラクターが好きでした。
母に連れられて宝塚歌劇団を観に行っていたので、カラフルで華やかなものは無意識に取り込んでいたと思います。
ただ意識的に可愛いものが好きだと言葉にするようなことはありませんでしたが。
中学生の頃は可愛い雑貨の代表のような存在、Swimmerを知りましたし、背伸びをしてファッション雑誌を読んでいたと思います。
ただこの頃も「可愛いもの」の存在を意識はしていなかったと思います。
高校生になると、カッコつけだったのか、ペンケースは黒一色、携帯電話も黒にしていた時期がありました。
わざわざ生活に可愛いものを取り入れるということはしていませんでした。
携帯電話の待受画面も白一色だったこともあります。蛍光灯に限りなく携帯のカメラを近づけて写真を撮ると、真っ白な写真が撮れます。
一体私は何がしたかったのでしょうか。
--- 付け加えておきますが、黒一色のシンプルなものはスタイリッシュですし、使いやすいという利点はもちろんあります。シンプルなものを否定したいのではありません。
が!駅の本屋さんでたまたま立ち読みした美輪明宏さんの『美輪明宏のおしゃれ大図鑑』と出会って意識が変わりました。ちゃんと買いました!笑
可愛い文化の先駆者である中原淳一さんや内藤ルネさん、美輪さんおすすめの文学・音楽・映画といったキラキラした文化がこれでもかと溢れていました。
いやもう本当に素敵で、今まで文化的なことに疎かった私には非常に衝撃的な内容でした。
そして昔の建築様式や色のパワーといった勉強になることも書かれていていました。
ピンク色について
優しさや愛情を表す色
情熱の赤に清らかな白を混ぜた、愛らしい乙女の色です。優しさや幸福感、ぬくもりを感じさせる色ですが恋の色でもあります。身につけると心も体も若返り効果があるようです。
と書かれていました。
愛らしい乙女の色という表現がとても可愛らしいと思いましたし、恋の色なんて素敵!ということで、身の回りにピンクを増やすことにしました。
最も影響されたのは、美輪さんのお城
美輪さんは20歳の頃、六畳一間のアパートに住んでいたそうです。
お世辞にも広いとは言えませんが、美輪さんはその部屋に自分の好きなものをちりばめることで、自分だけのお城を作ったそうです。
安いピンク色の生地を沢山買ってきて、カーテンにしたり、ボール紙に貼ってカーペットの代わりにしたりしたそうです。
タンスはピンク色に塗って、襖には布やハリウッド女優のブロマイドを貼ったりと、多くのお金をかけることなく、ご自分のお城を作り上げました。
本の中でインテリアについて書かれた箇所を下記に引用します。
これだけは覚えておいていただきたいのですが、汚い部屋に住んでいる人は、汚くなります。どんなに高価なブランド品を着ていても、その女性が住む部屋が散らかっていたら、その女性はどことなくだらしない印象をぬぐえません。どんなに質素な装いをしていても、趣味のよい素敵な部屋に住む人は、優雅でチャーミングに見えるのです。
いる場所によって体の色が変わってしまうカメレオンのように、人間もまた、保護色の生き物なのです。日頃住み慣れた場所の空気や雰囲気はあなたの細胞にしみつき、オーラのように発散されて、隠しようがありません。つまりインテリアは、あなたが思っている以上にあなた自身に大きな影響を及ぼす、重要な要素なのです。美しくおしゃれな部屋に住んでください。無理に引っ越したり、お金をかける必要はありません。今住んでいるあなたの部屋を知恵と工夫でつくり替えてしまえばよいのです。
あなたの好きな色を使い、あなたの好きなもので部屋を埋め尽くしましょう。その部屋にいると、どこを見ても美しく可愛いので、楽しい、優しい気分になれる、ロマンティックな想像に浸ることができる、そんなお城をつくってしまえばいいのです。
すっっっごく素敵!私も真似したい!!私もお城に住みたいー!!と思い、自分の好きなもの・可愛いものを集めだしました。
今思えば、私はこの瞬間に自分の中で可愛いを取り戻したのだと思います。
可愛いとの付き合い
私は赤ちゃんの頃を除く数十年、容姿や洋服を褒めてもらったことはほぼないです。
年配のご婦人に可愛いねと言われても、お饅頭的な意味で言われているのだと思います。
ただ、可愛いを取り戻してから、持ち物を可愛いと言ってもらえることが少しずつ増えて、それが素直に嬉しかったです。
ある人に言われた「持ち物全部可愛い。」という言葉は、相手にとっては何気なく言ったことかもしれないけど、私にとっては1番の褒め言葉です。
服装はやっぱりハードルが高いので、もうそこにエネルギーは使わないことにしています。言い訳です、はい。
この記事にも書いているのですが、きゃりーぱみゅぱみゅさんに興味を持ったことで、増田セバスチャンさんのことを知ることが出来たのも私の中ではとてもラッキーでした。
実は増田さんのお店には中学生の頃に行ったことがあります。
お友達と原宿に行った時に、たまたま連れて行ってもらったのが「6%DOKIDOKI」というお店でして、わぁー可愛いなぁーなんて思った記憶があります。
---私は地味人間なので洋服は買いませんでした。その十数年後にきゃりーさんの「PONPONPON」を観てセットがあんまりにも可愛くて、
「これセット担当したのどなた!?」と調べたら増田さんのお名前が出てきました。
プロフィールに「6%DOKIDOKI」のプロデューサーと書かれていてまたびっくり。なんでしょう、人間の好みってあまり変わらないんですね。
ということを上記の記事に書いています。
一周回って戻ってきた感じはあります。
ただあの時可愛いを取り戻していなかったら、きゃりーぱみゅぱみゅさんに興味は持っていなかったかもしれません。
おわりのつぶやき
私が可愛いを取り戻したこと、可愛いものを集めようと思ったきっかけなどなどを文章にしてみました。
可愛いの感覚というのはとても個人的なものですし、流行にも大きく左右されないものであると考えています。
私はこれからもおばあちゃんになっても自分の可愛いを集め続けます。