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お気に入りの雑貨・文房具集めました。

鏡台の香り 資生堂のドルックス

資生堂のロングセラーブランドのドルックス(deLuxe)は、年配の女性が主なユーザーだった基礎化粧品ですが、レトロ可愛いコスメとして若い世代にも使われるようになりました。

ドルックス deLuxe [ 資生堂 ]

 スタイリッシュなガラスの瓶と、印象的な唐草模様のがドルックスのトレードマークでもあり、ここがとても素敵です。
唐草模様と言えばどうしても泥棒のアレを思い出しますが、こんな素敵なデザインもあったんですね。

ドルックスはフランス語でぜいたくな豪華なデラックスなという意味があり、高級化粧品として誕生した背景がうかがえます。

ドルックス、プラスチックになったよ

先ほどスタイリッシュなガラスの瓶と書いたばかりなのですが、2018年、なんとドルックスの容器はガラスからプラスチックになりました。

正確な時期は把握しておらず、資生堂さんのニュースでも見つかりませんでした。ネット上の書き込みで推測すると、2018年の3月くらいです。

私がこの事実を知ったのは夏頃でした。ドルックス愛用者 (通称:ドルラー) ではありませんが、かつてまだ化粧もしていなかった頃に、お店の一番下の棚に鎮座するドルックスがとても素敵で憧れた身としては、あの「ガラス容器じゃなくなる!」というのは衝撃的でした。

薬局に行ってみると、確かにプラスチックです。中身は同じだと分かっていても、なんとも残念でした。

ガラスのドルックスがなくなってしまう前に、せっかくだから買っておこうと数件のお店を回ったり、メルカリで探したりして集めました。

 

ガラスのドルックス

ドルックス deLuxe [ 資生堂 ]

ドルックスの化粧水・乳液・ヘアオイル、そしてクリームです。
--- 一部プラスチックの子もいますが、デザインが素敵だったので一緒に買いました。

紫色のオールドルックス(ノーマル)Nとヘアオイルは、あまりお客さんの来なさそう(失礼)な薬局で発見しました。回転の速いお店はプラ率が高そうなので、残っていそうなお店をロックオンしました。(本当に失礼)

ナイトクリームも薬局で見つけ、その他はメルカリで買いました。私が欲しいのはパッケージなので、使いかけでも何も問題ありません。

 

ドルックス 化粧水・乳液

ドルックス deLuxe 化粧水・乳液

ドルックスの化粧水と乳液を並べました。写真暗っ。

これがすべてのラインナップではないのですが、全部集める資金と、置き場所のことを考えて好みの色合いのものを手に入れました。

瓶の形もシンプルだけど高級感があり、マークのデザインがレトロでとても素敵です。艶のあるダークカラーのプラスチックキャップが、キュッとデザインを締めてくれているようなイメージです。

 

オールドルックス(ノーマル)N

ドルックス オールドルックス(ノーマル)N

ドルックスの顔である、オールドルックス(ノーマル)Nです。キャップは黒で、こちらの商品は1952年(昭和27年)に販売が開始されました。

容量は150ml、価格は税抜600円、サイズは縦14.6cm・横6.8cmです。

 

オーダーレス オードルックス

ドルックス オーダーレス オードルックス

ドルックスのオーダーレスは無香料なのが特徴で、発売当時は日本初の無香料化粧品だったそうです。
--- オーダーレス=odorlessで、意味は「無臭」です。

パッケージのシールにも書かれていますように、オードルックスの表記は「EAU DE LUXE」です。「EAU」はフランス語で「水」という意味ですので、直訳すると「贅沢な水」や「豪華な水」となります。

容量やサイズはノーマルと同じですが、キャップが茶色で、価格は100円高い700円(税抜)です。

 

オーダーレス レーテボーテ

ドルックス オーダーレス レーテボーテ

こちらは乳液です。価格や容量等はオーダーレスの贅沢な水と同じです。

レーテボーテの表記はLAIT DE BEAUTÉで、「LAIT」は「牛乳」、「BEAUTÉ」は「美しさ・美」、「DE」は「~の」というような意味です。
なので「美の牛乳」…「美のミルク」と言ったほうが素敵でしょうか。

ちなみにGoogle翻訳で調べてみると、「ミルクBEAUTY」と出ました。キャッチーだけどなんか違いますね。

 

ドルックス クリーム

ドルックス クリーム

左側の大きいのがクレンジング・クリームで、右側の小さいのがナイトクリームです。

クリームの蓋部分は金色の金属のような板に商品名などがデザインされていて、とってもエレガントです。小物入れとして販売していても買いますね。

 

クレンジングクリームN

内容量は135g、価格は税抜800円、サイズは直径8.1cm・高さは4cmほどです。こちらは蓋も容器もプラスチックです。でも素敵なので買いました。(2回目)

 

ナイトクリーム(しっとりタイプ)

内容量50g、価格は税抜800円、サイズは直径6.2cm・高さは3.5cmです。誤差ありそうです。

こちらは蓋のみがプラスチックで、容器はガラスです。蓋が黒と金色なのでより高級感があります。

クリームのタイプは2種類で、しっとりタイプは金色、さっぱりタイプは銀色でです。

 

クリームは個別の写真がありませんが、真上からバージョンは撮影しました。

ドルックス クリーム

うーん、素敵。化粧品のデザインで5本の指に入りそうですよね。

 

ドルックス ヘアオイルN

ドルックス ヘアオイルN

ドルックスのヘアオイルは透明なので何も入っていないように見えますが、ちゃんと入っていますよ。

容量は60ml、価格は税抜700円、サイズは高さ10.3cm・底の横幅4.9cmです。

写真の色加減がおかしいので、シール部分が変な色になっています。実際は黄色がかっていません。

このまま飾っておけるくらい素敵なデザインです。ドルックスの製品に共通することですけれど、ヘアオイルは特に素敵です。

 

その他のラインナップ

ドルックスの製品は、13種類販売されています。(2018年12月26日現在)

この記事に書いていない商品を下記にまとめました。

乳液:フレーシュボーテN・レーデボーテ
収れん化粧水:オーデュベールN・オードカルマンN・オードルックス(アストリンゼントマイルド)N
マッサージクリームN
ヘアクリーム

ドルックス - 化粧品・コスメの通販 | ワタシプラス/資生堂より

 

ドルックスの買えるところ

実店舗

ドルックス自体は薬局等で買えますが、ガラス容器のタイプだと販売しているところがかなり限られると思います。

インターネット

Amazon楽天Yahoo!ショッピングWowma等で購入可能です。しかし、こちらも実店舗と同じように、ガラス容器のものを探すのは難しいかもしれません

ガラスのドルックスを探すのであれば、ヤフオクやメルカリの方が見つけやすそうです。容器がガラスかどうか、出品者に問い合わせれば確実ですね。

 

資生堂とドルックスの歴史

ここからは調べたことをツラツラとまとめます。興味のある方はお付き合い下さい。ぜひぜひ。

 

資生堂の始まり 

1872年(明治5年)

福原有信が東京・銀座にわが国初の洋風調剤薬局を創業。当時23歳の有信は、西洋薬学から生まれた高品質の薬品を、従来の慣行とは一線を画す新しい手法で販売することをめざした。
* 美しさに貢献してきた歴史 | ブランドについて | SHISEIDO | 資生堂より

 

資生堂シンボルマーク 花椿マーク

1915年、有信の息子である福原信三が資生堂初代社長に就任します。信三はヨーロッパで美術を学んだ経歴の持ち主で、アール・ヌーボーの洗練された美しさに深い影響を受けていました。

写真家であり、アーティストでもあった信三は、東京の銀座から世界に誇る化粧品を送りだすという大志を表現するために、椿の花をモチーフにした資生堂のシンボルマークを自らデザインしました。

才能豊かで先見性を持つ信三がデザインした花椿は、小さな変更を加えながらも現在まで変わらず使われており、美を追求する資生堂を象徴し続けています
花椿マーク | ブランドについて | SHISEIDO | 資生堂より

 

ドルックスの歴史

資生堂の代名詞的なブランド、ドルックスは1932年(昭和7年)に誕生しました。 高級化粧品として発売され、その価格は資生堂従来の商品の2倍~4倍もしたそうです。

発売当初は白粉・バニシングクリーム・石鹸などの5品で、洗練されたパッケージのカラーは銀と黒でした。

『日本のレトロコスメ』によりますと、

意匠部に在籍していた前田貢氏による1932年のパッケージデザインは、伝統的な唐草模様をモダンに洗練させた一品で、銀地に黒一色の線描を基本とした精巧なカリグラフィが味わえます。1951年のパッケージデザインは山名文夫氏によるデザイン。さらにデコラティブな唐草になりました。

とあります。

発売当初と現在のデザインは異なっており、今買えるのは山名文夫さんの作品なのですね。

また同書籍には、

品質、容器といったあらゆる側面において「高級化粧品」という概念を具現化

という見出しがついています。

デザインや価格からも資生堂さんの本気、そして自信が分かりますが、商品目録にも「フランスへの贈り物にしても恥ずかしくありません」と書かれていたそうです。
相当自信がないとこうは書けませんね。

そんなドルックスも第二次世界大戦中は奢侈品(しゃしひん)と見なされ、製造中止に追い込まれてしまいます。

こういった素敵なデザインの商品が身の回りからなくなってしまうというのは、どんな気持ちになるのか、私には想像も出来ません。

その後、1951年(昭和26年)にドルックスは復活します。この時に復活してくれたから、今の若い世代がレトロコスメとして楽しめるんですよね。ありがたやありがたや。

現在は高級化粧品ではなく、高品質だけれども1000円以下で買えるプチプラコスメとしても認知されています。

 

ドルックスの素敵な思い出

『まだある。今でも買える"懐かしの昭和"カタログ~生活雑貨編 改訂版~』でドルックスについての素敵な思い出が紹介されています。

かつて、日本の家庭には必ず「鏡台」という家具があった。要するに「和風ドレッサー」で、畳の上で正座して使用することが前提の設計だ。細長い三面鏡がパタパタと折りたためるタイプや、風呂敷のような布のかかった一枚鏡のものが主流だった。子ども時代、なんとなく触れてはいけない感じのする母親の「鏡台」を遠目に眺めながら、「ゴチャゴチャしたビンやら道具やらがいっぱいのっかっているなぁ」などと思っていた。そうした「ゴチャゴチャ」のなかに混じっていたのが、この資生堂が誇る最古参の化粧品シリーズ「ドルックス」なのである。淡い紫色の液体が入ったビンと、白いものが底に沈殿していたグリーンのビンをはっきり覚えている。

昔の思い出が蘇ってくるような、素敵な文章です。

なんとなく、ドルックスは鏡台にあるイメージです。ドルックスはモダンでエレガントなデザインなのですが、木で出来た茶色い鏡台となんとも相性が良いんですよね。

ドルックスの香りを「おばあちゃんの匂い」と表現する方もいて、それだけの長い間、女性達の肌をプリンプリンにしてきた存在なんだなと実感します。

 

ドルックス、若い女性にも広まる

現在、ドルックスは若い世代の女性にもユーザーが増えていますが、そのきっかけについて、『売れる企画はマイクロヒット戦略で考えなさい!』に書かれていました。

私がうまいなぁと思ったのは、資生堂のドルックスのドラッグストア展開です。ドルックスは1932年(昭和7年)から発売されている化粧品ですが、愛用しているのは、主に年配の女性たちでした。
ところが、2005年頃、美容マニアが集う某巨大掲示板には「もう面倒くさいからドルックスでいいじゃん!」というスレッドが立てられ、熱いコメントが寄せられるようになりました。
またビンテージ感のあるレトロなパッケージデザインと600~800円程度という価格帯が、女子高生の間でも密かなブームとなったのです。
それをきっかけに資生堂は、都市型の店舗を選んで、棚の下の方にひっそりと存在していたドルックスにオシャレなPOPをつけて商品をよみがえらせました。

誰ですか「もう面倒くさいからドルックスでいいじゃん!」なんてハイセンスなスレッドを立てたのは!笑

そこにしっかりと目をつける資生堂さんもさすがです。

こちらの本には、発売当初のドルックス5品の写真が掲載されていますので、興味のある方は見てみて下さい。

 

おわりのつぶやき

この記事を書くために、ドルックスを並べて写真を撮りました。最初、背景を赤いドットの布で撮影しました。

ドルックス deLuxe [ 資生堂 ]

これはこれで可愛いと私は思うのですが、もうちょっとポップじゃない背景の方が良い気がして撮り直しました。

ちなみに白っぽい背景は、ナチュラルキッチンのホーローバットで、ガラスのキャンディポットの上に載せて撮影しました。大した設備がないため、ハチャメチャです。トリミングしちゃえば分かりませんからね!

ドルックスがガラスの容器からプラスチックになってしまったのは、正直とても残念です。 プラスチック容器になることで軽量化したりといった良い面もあるとは思います。

ただ、ガラスの瓶の方が絶対に素敵ですね。コスト面などを考えると仕方がないのでしょうかね。時代の流れなのか…。

 

● 参考

『日本のレトロコスメ プチプラコスメからロングセラーまで』
日本のレトロコスメ研究会 編 2018年3月 グラフィック社

『まだある。今でも買える"懐かしの昭和"カタログ~生活雑貨編 改訂版~』 初見健一 著 2013年5月30日 改訂第二版一刷 大空ポケット文庫

『売れる企画はマイクロヒット戦略で考えなさい!』廣瀬知砂子 著 2013年12月 かんき出版

歴史 | 沿革・歴史 | 会社案内 | 資生堂グループ企業情報サイト

 

商品情報

商品名:ドルックス オールドルックス(ノーマル)N
発売元:資生堂フィティット株式会社
製造販売元:株式会社資生堂
価格(税抜):600円
JANコード:4901872241187
原産国:日本


商品名:ドルックス オーダーレス オードルックス
発売元:資生堂フィティット株式会社
製造販売元:株式会社資生堂
価格(税抜):700円
JANコード:4901872241422
原産国:日本 


商品名:ドルックス オーダーレス レーテボーテ
発売元:資生堂フィティット株式会社
製造販売元:株式会社資生堂
価格(税抜):700円
JANコード:4901872241439
原産国:日本 


商品名:ドルックス クレンジングクリームN
発売元:資生堂フィティット株式会社
製造販売元:株式会社資生堂
価格(税抜):800円
JANコード:4901872241255
原産国:ベトナム 


商品名:ドルックス ナイトクリーム(しっとりタイプ)
発売元:資生堂フィティット株式会社
製造販売元:株式会社資生堂
価格(税抜):800円
JANコード:4901872241347
原産国:ベトナム


商品名:ドルックス ヘアオイルN
発売元:資生堂フィティット株式会社
製造販売元:株式会社資生堂
価格(税抜):700円
JANコード:4901872241408
原産国:日本