パッケージと商品のレトロ感がなんとも言えない可愛さ。
可愛い商品というのは、商品の可愛さに加えてパッケージの可愛さが際立っていることがあります。
2つの相乗効果でより可愛く、素敵に見えます。
先日何気なく覗いた文具店で商品とパッケージがとっても可愛い商品を見つけました。
セロテープ® 大巻 ハンドカッター
● 価格:550円(税抜)
● サイズ:約 縦 9.7cm・横 13.4cm・厚さ 2.6cm (本体)
セロテープ®のハンドカッターです。タータンチェック柄がとても可愛い。そしてパッケージのレトロ感がなんとも可愛いんです。
ハンドカッターの柄自体も新しいというよりはちょっと昭和感があって、商品×パッケージの可愛さが素晴らしいことになっています。
ニチバンさんのWebサイトによりますと生産終了品だそうです。貴重な1つを買えて良かったです。
ちなみに大巻セロテープ®がセットされていて、使い終わったら変えるだけです。
こちらの商品の発売開始時期については、検索してみてもよく分かりませんでした。
パッケージ裏側。用途のイラストがいいですね。
セロテープ®は、登録商標なので、一般用語というか一般名詞として、透明の巻いてあるテープを指す時は「セロハン粘着テープ」や「セロハンテープ」と言わないといけないそうです。
でも透明の巻いてあるテープのことを全部「セロテープ®」と言ってしまう人は結構いると思います。
そのくらい生活に浸透しています。
もうすっごくお世話になっている文房具ですし、戦後日本の文房具、ベスト3の1つと言われているのも納得です。
--- あとの2つはマジックインキとボールペンです。
セロテープ®使いやすさをわざわざ書くのは、スプーンって物を食べる時にめっちゃ便利なんだよ!と言っているのと同じようなことですね。
可愛くて開封出来ない問題
本来ならハンドカッターをパッケージから出して、本体のみの写真を載せた方が良いと思います。
文房具という道具ですので、出してとっとと使いましょう!なのですが、このパッケージとハンドカッターの相性が素敵すぎて開封出来ません。
もったいなくて開けられない…。なのでしばしばこのままにしておきます。
セロテープ®大巻が入っている箱も可愛いですよね。
この商品の買えるところ
※記事を書いている時点での情報です。在庫がなくなってしまったり、取り扱いがなくなる可能性もあります。最新の情報をご確認くださるようお願いいたします。
実店舗
文房具店。商品の回転が比較的ゆったりしていそうな文具店を探してみると良いかもしれません。
購入時若干ホコリを被っていたので、結構な長い間売れていなかったのかもしれません。
インターネット
Amazon・楽天・Yahoo!ショッピング・Wowma等で購入可能です。Amazon以外は価格が定価より高くなっています。
セロテープ®が誕生するまで
セロテープ®が発売されたのは1948年(昭和23年)のことです。今では家やオフィスにあるのが当たり前の文房具。
そんなセロテープ®の誕生について調べました。
ちなみにニチバン株式会社さんの創業は1918年(大正7年)です。本社は東京都文京区。
創業は南品川、当時は歌橋製薬所という名前で絆創膏・軟膏などを製造していたそうです。
一般用・業務用多岐にわたる製品を製造しています。医療用の商品もありますので、おそらく日本で生まれてから一度もニチバン製品に接していないという人はいないかもしれませんね。
セロハン粘着テープの誕生
● 1928年(昭和3年)
日本でセロハン粘着テープに関する実用新案が登録。
● 1930年(昭和5年)
アメリカでセロハン粘着テープが誕生。3Mが開発した「スコッチテープ」が世界初のセロハン粘着テープ。
現在のように封筒を綴るのに使うというような使い方ではなく、自動車塗装用のマスキングテープとして使われていました。
● 1933年(昭和8年)
日本でセロハン粘着テープに関する特許が登録。
● 1935年(昭和10年)
ギヤー・ハンマー印透明テープ発売。製造は日信工業、発売は鈴鹿工務店。粘着力が弱かったそうで、途中で斜めに切れてしまうこともあったそうです。
・ メモ
アメリカがセロハン粘着テープを開発していたのと同時期に、日本でもセロハン粘着テープの開発が行われていたようです。
その企業の一つが歌橋製薬所でした。
ある会合でスコッチテープを目にした当時の社長・歌橋憲一は「こんなに便利なものはない。日本でも絶対に売れる」と確信し、自社開発に乗り出す。
長年にわたって培ってきた粘着テープの技術が、セロハン粘着テープづくりに活かせるという読みからだった。
*ニチバン セロテープ ニッポン・ロングセラー考 - COMZINE by nttコムウェア
セロテープ®の誕生
● 1947年(昭和22年)
生活の必需品であるセロテープ®が誕生したきっかけは、GHQからのセロハン粘着テープ製造の打診があったことです。
当時はGHQによって手紙の検閲が行われており、開封した手紙に封をするのにセロハン粘着テープが必要でした。
アメリカから輸入していましたが、輸入が遅れてしまったためテープが不足してしまいます。
そこでニチバンさんに製造を依頼しました。
● 1948年(昭和23年)
ニチバンは絆創膏製造の技術を応用し、1948年にセロハン粘着テープの試作品を納品しました。満足のいく品質ではありませんでしたが、GHQの将校たちは短期間で試作した日本の技術力を称賛したといいます。
*セロテープ®の歴史|セロテープ®|ニチバン
同年6月に「セロテープ®」の市販を開始します。
・ メモ
ものすごく簡単に書いてしまっていますが、当初の粘着剤は冬場になると粘着力が弱くなってしまったりと課題もあったそうです。
それでも経営陣はセロハン粘着テープの将来性に賭けていたため、一から研究し直したそうです。
まさに社運をかけたプロジェクトだったのですね。
ちなみにセロテープ®のサイズはインチを基準にサイズが決まっているそうです。
セロテープ®の幅は12mmから24mmと、中途半端なサイズだと思いませんか?実はGHQの担当官がインチ(1インチ≒25.4mm)を基準として、12mmを1/2インチ、18mmを3/4インチ、24mmを1インチと定めた名残です。同様にセロテープ®の巻心の大きさも大巻が3インチ(約7.6cm)、小巻が1インチ(約2.5cm)と、現在でもインチを基準としています。
*セロテープ®の歴史|セロテープ®|ニチバン
当たり前の文房具になるまで
セロテープ®を発売してからも販売促進に苦労したそうです。当時の日本ではこういったセロハン粘着テープを使うという発想自体がなかったようです。
糊かビョウくらいしか"貼る"道具のなかった当時の日本人にとって、セロテープはあまりにも斬新すぎる商品だった。
*ニチバン セロテープ ニッポン・ロングセラー考 - COMZINE by nttコムウェア
この時代を生きている人間からすると信じられないですね。
宣伝カーを巡回したり、デパートにマネキンを置いたり、展示会での宣伝など地道なアピールによって徐々に人々の生活に浸透していきます。
販促活動と品質改良により、何十年も愛されるあるのが当たり前のロングセラー商品となりました。
参考
* テープの歴史館|セロハンテープ(3)|Nitto|Tape Museum|粘着テープの総合情報サイト
*ニチバン セロテープ ニッポン・ロングセラー考 - COMZINE by nttコムウェア
おわりのつぶやき
セロテープ®より使い心地のいいセロハン粘着テープって今現在あるんですかね?
時々、他メーカーと思われるセロハン粘着テープを使うと、セロテープ®との使い心地の違いに驚くことがあります。
そんな素晴らしい品質の商品を、パッケージと商品が可愛いからという理由でしばらく使わないでおこうなんて、もっていないでしょうかね?うーん。
それでは、ごきげんよう。
商品情報
商品名:セロテープ® 大巻 ハンドカッター
品番:TC-18
カラー:タータンチェック
サイズ(テープ):幅18mm×長さ25m
メーカー:ニチバン株式会社
価格(税抜):550円
JANコード:4987167005665
原産国:日本